楽譜のOpやKの記号や番号は何?
楽譜に書かれている、Op.やK。WoO.色々ありますが、これは作品を整理するための番号です。それでは、1つ1つ見ていきましょう。
op.(オーパス)
op. は オーパスと読み、 ラテン語で「作品」の意味、日本語では「作品番号」という意味でとらえられています。例えば 上記画像のショパンの誰もが知る「子犬のワルツ」は、作品番号 Op.64-1 Op64-1と書かれているということは、Op64の作品は1つではないという事がわかります。この画像に3つのワルツとあるように、Op64ー3まであります。
太田胃散のCMに使われている ショパン24の前奏曲の7番は Op28-7 と書かれています。
この整理番号は、基本作曲家が、作曲した順につけられているのですが、必ずしもそうとは限らず、出版社がつけていることも多いので正確ではありません。

ショパン、太田胃散CM曲 Op28

シベリウス作曲、樅ノ木作品番号
op.post.(オーパス・ポストゥムス)
op.post. は op.posthumus の略号。オーパス・ポストゥムス
作曲家の死後出版された作品に付けれています。ショとパンの作品で多くみられます。
ノクターン第20番嬰ハ短調 遺作 Op.Posth.またはB.I.149
BWV (ビー・ダブリュー・ブイ)

バッハ平均律プレリュードBWV
Bach Werke Verzeichnis の頭文字をとった略号です。音楽の父、バッハの作品目録番号という意味です。BWV846 846曲目の作品という意味で、バッハは1100曲以上と多くの作品を残してくれています。
D.(ドイッチュ番号)

シューベルト作品番号、Op.とOp.post.とD
ドイッチュ(Deutsch)によるシューベルトの作品目録番号の略号です。ドイッチュ氏が、シューベルトの作品を番号をつけ整理しました。
- 右 D279 ・・・ ドイッチュが整理した番号279番目
- 左上 Op.posth.143 D784 ・・・シューベルト死後出版143 ドイッチュが整理した番号は784
- 左下 Opus.42 D845 ・・・・シューベルトの存命中に42番目の作品とつけられ、ドイッチュが845番目の作品として整理番号をつけています。
Hob. ホーボーケン

ハイドン作品番号
ホーボーケン(Hoboken)によるハイドンの作品目録番号の略号。
HOb.XVI/34 ・・・ホーボーゲン、ピアノソナタ34
Hob ホーボーゲンの後ろはジャンルを表し、Hob.I なら交響曲、舞曲管弦楽、アンサンブルならIX とジャンルごとに分けられています。
K. KV. (ケッヘル)

モーツァルトの作品番号
ケッヘルによるモーツァルトの作品目録番号。「このままではモーツァルトの作品が散逸されてしまう」という懸念が表明された著作「モーツァルトのこと」に刺激を受け、ケッヘルがモーツァルトの作品を整理し、作品番号をつけたことからモーツァルトの作品にはK(ケッヘル)がつけられている。
作品目録番号は、モーツァルトの父がモーツァルトの幼少期の作品をつけており、またモーツァルトが亡くなる直前までの作品をモーツァルト本人がつけていたが、その作品数は176曲であった。
ケッヘルはモーツァルトの故郷に1850年~10年以上暮らし、モーツァルトの作品目録作成に取り組み、1862年に K1~K626の 全音楽作品の年代別主題別目録をブライトコップ社から出版した。
ケッヘルがいなかったら、モーツァルトの素晴らしい作品の多くが散逸されていたであろう。
Wo0. ヴェー.オー.オー

ベートーベン作品目録番号
WoO. ヴェーオーオー Weke ohne Opuszahl (ヴェルケ・オーネ・オープスツァール、)の略。(作品番号のない作品)
ベートーヴェンの作品で、存命中に作品番号が与えられなかった作品に着けられた整理番号です。存命中につけられたものには、Op27‐2(ソナタ月光)のようにOp.(作品番号)がつけられています。
WoO59-エリーゼのために
作品番号まとめ
- Op. → 作品番号(存命中)
- Op.post. → 遺作
- BWV(ビー・ダブリュー・ブイ) → バッハの作品番号
- D(ドイッチュ) → ドイッチュがつけたシューベルトの作品番号
- K. KV.(ケッヘル) → ケッヘルがつけたモーツァルトの作品番号
- WoO.(ヴェー・オー・オー) ベートーヴェンが存命中に作品番号がなかった作品につけられた作品番号
作曲家たちは、自分の作品を整理されていなかったこわかります。作曲家死後、作品を整理してくれる方がいてくれたおかげで多くの作品を弾くこと聴くことができています。