ピアノの正式名称
「ピアノ」の正式名称は「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」というイタリア語
なぜこんな長い名前かといいますと、ピアノの歴史を紹介する必要があります。
音楽の父と呼ばれるバッハがいたバロック時代、まだピアノはなく「クラヴィチェンバロ」や「チェンバロ」と呼ばれる鍵盤楽器が主流でした。細い弦を爪のような部品で引っかいて音を出しており、音量の変化がとても少ない楽器で、改良され現代の鍵盤と連動したハンマーが弦を叩いて音を出すピアノが出来たのです。
ハンマーが弦を叩く強さやスピードにより、音量に大きな変化をつけられるようになった事でついた名前が、「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」gravicembalo col piano e forteです。
日本語にすると「弱い音も強い音も出せるクラヴィチェンバロ」という意味です。
※強弱を表す p(piano…ピアノ)、f(forte…フォルテ)、クラヴィチェンバロ
現代の一般的なピアノの正式名称は、pianoforte(ピアノフォルテ)といいます。吹奏楽や、オーケストラ、アンサンブルなどのプログラムや、ピアニストのプロフィールのところに「pf.」と書いてあることがあります。これはピアノフォルテの略です。
イタリアでは今でも「ピアノフォルテ」と呼ばれており、フォルテピアノの名称は、やや古い時代の鍵盤楽器を指すときに使われています。
ピアノフォルテは時代と共に広く普及され、次第に短く簡単に「ピアノ」と呼ばれるようになりました。
外来語禁止の戦時中の日本、ピアノをなんと呼んでいた?
戦時中の日本国、一切の外来語を禁止していた時代がありましたね。その時代はピアノも日本語で呼ばれていました。洋琴(ようきん)です。
- ピアノ → 洋琴(ようきん)
- グランドピアノ → 三角洋琴 、平台洋琴、 大洋琴
- アップライト → 縦型洋琴
ピアノ曲やジャンルの日本名
ピアノ曲やジャンルの訳もあります。現在も使われているものや使われなくなったものまでありますね。
- プレリュード → 前奏曲
- エチュード → 練習曲
- ノクターン → 夜想曲
- アンプロンプチュ → 即興曲
- ソナタ → 奏鳴曲
- フーガ → 遁走曲
- スケルツォ → 諧謔曲
- コンツェルト → 協奏曲
- シンフォニー → 交響曲
他楽器の日本名
- チェンバロ → 大鍵琴
- オルガン → 風琴(ふうきん)
- エレクトーン → 電子琴
- アコーディオン → 手風琴
- ハーモニカ → 口風琴
- ヴァイオリン → 提琴(ていきん)
- ハープ → 縦琴(たてごと)
- オルゴール → 自鳴琴(じめいきん)
- フルート → 横笛(よこぶえ、おうてき、ようじょう)・長笛(ながぶえ)
- リコーダー → 縦笛・竪笛(たてぶえ)
- トランペット → 喇叭(らっぱ) ・・・トランペットのような金管楽器
- ホルン → 角笛(つのぶえ)
- クラリネット → 黒菅(くろかん)
- ギター → 六絃琴(ろくげんきん)・・弦が6本あるギター
- ベース → 四弦琴